エコレザーとはどのような素材？

エコレザーとは、人工皮革や合成皮革といったいわゆるフェイクレザーのようにプラスチックやビニル樹脂などを使用せず、人や環境への負荷がかからないように動物皮を“なめし”て完成する本革のことです。

日本エコレザー基準に定められた、以下の認定要件を満たした皮革生地を指します。

• 天然皮革であること
• 排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること
• 臭気、化学物質（ホルムアルデヒド・重金属・PCPなど）および染色摩擦堅牢度に関する一定の基準を満たしていること

最近注目を集めているエコレザーでは、上記のような基準をクリアするためのなめし加工方法として、ラセッテーなめし加工が施されている生地があります。ラセッテーなめし加工とは、ミモザやアカシアなどの天然素材から抽出された植物タンニンを用いてなめし加工を行う手法です。天然成分を加工時に用いていることから、人体と環境に害の少ない革を生み出せます。

一方、通常のレザーでは、なめし加工に塩基性硫酸クロム処理が施されており、六価クロムがレザーから検出されることがあります。六価クロムは発がん性物質として注意喚起されている物質ですが、ラセッテーなめし加工を施されたエコレザーは有害物質を使用していませんので、人にも環境にもやさしい生地です。

※三価クロムの状態を保持できているレザーは有害ではございません。

エコレザーとフェイクレザーの違い

フェイクレザーとは、ポリウレタン樹脂や塩化ビニル樹脂が原料の工業製品を指しています。軽量で耐水性が高く、本革よりも低価格のため人気の高い生地です。しかし、経年劣化により生地が傷んでしまうため、変化を長期間楽しめないデメリットもあります。

エコレザーは天然皮革を用いた生地のため、皮革生地特有の風合いや耐久性の高さがメリットです。適切なお手入れを行えば経年変化も楽しめます。また、ラセッテーなめし加工が施されたエコレザーは、余分な脂や植物タンニンを過度に加えないため、従来の天然皮革と比べて軽量な点も魅力的です。

エコレザーの人気が高い理由

エコレザーの人気が高まっている理由として、環境問題への意識の高まりが挙げられます。ファッション業界では、製品の製造過程における二酸化炭素の排出、化学物質による水質汚染などの環境問題を抱えてきました。こうした問題を解決するため、近年ではSDGsやエシカル消費への関心が高まっています。

エコレザーは製造から輸送、販売、再利用までの一連の工程において、環境負荷の軽減に配慮されています。また、エコレザーは天然皮革であり人体に与える害が少ないことから、ファッション業界でも徐々に浸透しつつあります。